訳あって、今まで乗っていたジープのグランドワゴニアを手放しました、、

車を移動手段として考えると、燃費も悪いし、すぐ壊れるし(ブレーキ壊れるとかハンドル効かないとか、、)
なかなかやんちゃな子でした(笑)

走り出すまで、結構な時間暖気が必要で予定の出発時間まで15分くらいは早めに事務所を出なければなりません、、
おかげで、相当大らかな性格になります(笑)

ただ、車はただの移動手段ではなく、居住空間だと考えると多くの豊かさを与えてくれた気がします。

アクセルを踏むたびに骨太なエンジンの音にわくわくする乗り物でした。
(今の車のエンジン音と比較すると多くの人はうるさいだけと思うかもしれませんが、、、

何より、体の大きさと開放感は他に代え難いものが有りました。
現行の安全基準では出来ない様なウインドウ部分のフレームの細さと、
リアゲート(リアのガラス部分)が自動で開くので、
ウインドウをいつも全開にして光と風と風景を全身で感じる乗り物でした。

車の機能としての使い勝手は別として、強烈な個性のある車だったので、
それにしかない使い方を想起させてくれる様な車でした。

そんな時間がとても豊かだったと思っています。

今作られている車はどれも安全基準や燃費などの性能ばかりが比較の対象になってしまっていて、
ワクワクする様な、夢のある、遊び心のある車が少ない事がとても残念です。

グランドワゴニアは1962年から大きなモデルチェンジをする事無く、1991年まで作られていました。
今、乗っていても色あせない強烈な魅力のある車だっと思います。

建築に置き換えて考えると、建った当初のピカピカの魅力は勿論有りますが、
20年、30年たった時にも色あせない魅力を持ち続ける事が出来る建築が豊かな建築だと思います。

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車同様、住宅も最新の設備にばかり目が行きがちですが、
その土地や要望を見つめ、
もっと根源的な、骨太な空間をつくりたいと思っています。

武藤圭太郎