岐阜市郊外の住宅地に建つ木造3階建の二世帯住宅。

比較的コンパクトな住宅が建ち並び道路側をセットバックして駐車場や樹木を植えている周辺環境に合わせ、車１台分（奥行き5m）セットバックし、周囲とのヴォリュームを合わせるように切妻の勾配屋根として計画した。

1/3が公園に面している敷地を利用して、道路から公園への抜けを確保する様に1階にはガレージ兼土間テラス、公園への眺望を生かせる2階にはリビングを配置し、公園からの風が住宅全体に巡る様に計画している。

家族の気配を常に感じて生活したいというクライアントの要望に答える為、３層吹き抜けのパブリックな性質をもつ動線室（廊下や階段が集約された場所）を住宅の中央に設け、各部屋にバルコニーの様なインナーテラスを動線室に面する様に設けた。

公園に対して軸を振りながら、人や物のスケールに合わせてクランクした動線室は1層上がるごとにセットバックして広がり、コンパクトな住宅に奥行きと居場所を与え、各場所に光と風を運ぶ。

インナーテラスは各部屋に取り付く1~2帖程の小さな余白の様な場所だが、テーブルや植物が置かれ、家族それぞれのプライバシーを守りながらも、各部屋の雰囲気が家全体に浸透する住宅となった。