GINAN

「庭」の中に住むような明るく開放的な住宅。

『GINAN』は建物を含めた敷地全体が「庭」の様になっている。実家の日本庭園から大きな庭石を今回の敷地に移設したいという要望から「GINAN」の計画は始まった。
敷地は間口11m、奥行き42mと細長い敷地であり、道路側の半分は将来の事を考慮して「庭」として残す事が望まれた。

敷地全体を「庭」として捉え、全面に砂利を敷き詰め、庭石を配置していった。

建物もまた、敷地の「庭」の一部の様に立ち上がっている。
壁は斜に倒れ、庭に敷き詰められた砂利を混ぜた仕上げとする事で、地面が立ち上がっている様な、「庭」と連続した風景をつくりだした。

斜めに倒れた建築のボリュームは、西日を遮るとともに、外部からの適度なプライバシーを確保している。

従来の「建築」と「庭」の二項対立的な関係でなく、「庭」と「建物」が風景として一体となり、「内部」にいると「外部」まで連続した広がりが生まれている。砂利の立ち上がったボリュームの間のスキマは、家族が集まる場所としてオープンな場所となり、開口を通して様々な場所とのコミュニケーションが可能である。

「庭」や「風景」の「あいま」が住まいになる様な、開放的でダイナミックな住宅が実現した。